No.19 Warm Carrot/ COGNOSCENTI
COGNOSCENTIのNo.19 Warm Carrot
まずアーシーなキャロットシードがベンゾインやオポポナックスのような樹脂の柔らかくスモーキーな土台に乗ってじんわりと香る
バニラアイス様の甘さのバニラがチラつき、昔のお化粧品風のパウダリーさが滲んでいるため、土のワイルドさよりもどこか懐かしさを感じた
少しすると、ベリー系のフルーツの甘酸っぱいニュアンスを伴うフローラルが、アーシーな層から透かして流れるようになった
さらに経つと、フローラルの植物性はラベンダーの薬草の苦みへ変化し、アロマティックな印象が強くなる
その後、お菓子というよりもウッディなバニラが落ち着いた甘さをプラス
次第に香ばしいベチバーとドライで少し古びたアンバーがメインになり、バニラは控えめな甘さを添えるように溶け込む
重めの要素が多いようで、湿度が低いためか軽やか
さらにベチバーは香ばしさを増してスパイシーな鋭さとして表面を覆い、その膜が薄れるとレザー&オークモス様のギラつく渋さが現れた
レザーは次第に明るく乾いてゆき、隠れていたバニラと柔らかくスモーキーな樹脂と混じり合って、青茶〜紅茶を少し甘くしたような香りに
最後は肌の近くで甘さが後を引きながら淡くなっていった
終始少しだけ背景にキンとした要素も感じる
落ち着く自然さと人為的な楽しさの両方があり、バランスが好み