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ポンコツ凡人素人による香水のたわ言の書きつけ/Twitterの寄せ集め

Lilac Perfume/ Highland Lilac

Highland LilacのLilac Perfume

総体として捉えると、時とともにニュアンスを変えてゆくライラックの香りなのだが、敢えてバラバラになるまで近付いてみる

最初に鋭いスパイスが勢いよく飛び散ると、仄暗くしっとりしたシナモンの薄く透ける層に包まれて、アーモンドのすっきりして冷たい甘さが現れた

奥の中心部には、草の苦みを含む精製前のハニーの暗い甘さが核のようにギュッと縮こまっている

間をおかずにアーモンドにヘリオトロープが混じり、ふわふわした甘いバニラも時々チラつくようになった

ハニーは前面に出てくることはないが中心部で緩み、その周りに軽くエグミのあるグリーン香が広がる

アーモンド/ヘリオトロープなどの層は表面のシナモンを取り込んで混じり合い、さらにチュベローズのようなクリーミーさも加わっていく

同時に中心部ではウリっぽい水っぽさが増し、ハニーとグリーンが混ざったらしき薬膳風味の甘苦さとともひとつの層を成して、アーモンドなどの層から透けて感じられた

表に冷たく甘くクリーミーな層/奥に甘苦くウォータリーな層という二重構造のよう

さらに経つと、それぞれクリーミーさとウリっぽさが引き、アニスっぽい甘苦さで薄く地塗りされた上にアーモンド(に近いチュベローズ)が重なる状態に

その状態が少し続いたあと、奥のグリーンや甘苦さは薄くなっていった

最後は、奥にあった土台を失ったアーモンドなどが頼りなく漂い、いつの間にか空気に溶け込んでしまった

持続は短く、バラバラな要素から時々離れると感じられるのはほぼライラックというシンプルさ

しかし近付くとライラックとは別の複数要素がそれぞれ香っており、「シンプル」な香りの複雑さを感じた