Saffron Rose/ Grossmith (Twitter+α)
フルーティなローズが一瞬先行し、すぐに樹脂らしい質感と重み、熟したような深みに感じる甘さを持つウードが重なって香りに厚みを増していく
ウードには汗をかいたあとのTシャツのようなモワッとしたアニマルムスクが混じり、強弱を揺らがせながらニュアンスを添えていた
ローズは明るく華やかなサフラン、仄かなシナモンとともに目立ちつつ、ウードの主張も拮抗しており、全体的に押し出しが強い
とはいえ枠をはみ出すような要素はなく整った印象で、強烈に動物的・スモーキーにはならず、品がよく安心感がある
次第にウードにミルラが混じり合い、木の表情がより豊かに
さらにローズのメタリックで少しグリーン寄りの要素が湿ったウードの奥からツンと突き抜けて、比較的重みのある香りの中である種の軽さとして感じられる
少しずつローズとサフランは控えめになり、ドライでザラザラした質感のスモーキーなサンダルウッド中心にウードで深みを足したウッディ香になった
しばらくするとカストリウムが一気に木を覆い全体をアニマリックに傾け、追ってフルーティなローズとサフランが復活してカストリウムとともに思い切りよく広がる
最後はカストリウムと木に少しアンバーが混じり、ローズの紅茶のような要素が華を添えて、力強い旅芸人一行が遠ざかるように消えていった
★追記
カストリウムやローズなどが去ったのち、突如恐らくウード由来のキノコ・菌類の香りがメインとなり直線的に肌の近くで続いた
また、あらゆる要素が遠ざかり、消えたかなと思った頃、ふとダーティなアニマルムスクが肌にこびりつくように残っていることに気づいた。
最近サフランローズ、ゴールデンシプレ、ビトローザル、ダイヤモンドジュビリーブーケ、シェメルネッシム…とグロスミスを試しており、どれも人工香料を用いることで、よい意味で優等生的で整った香りにまとめている印象がある
グロスミスの「ロイヤル」の解釈だろうし、一貫した姿勢は好感度が高い