Feu Secret/ Bruno Fazzolari
Bruno FazzolariのFeu Secret
何度試しても公式のノートと随分印象が違うのだが、記録として
最初に鼻に届くのはアーシーな根系アイリス
シダーとターメリックだと思われる灰と土のようなザラつきが混じり、下に向かう暗さがある
少しすると奥にとろりと蜜状のアンバー様の甘さがチラチラと覗くように
ヴァイオレットかベリー系の潤んだフルーティな甘さのようにも感じられる
次第にこの甘さは増してゆき、代わりに灰の暗さは弱まっていった
根系のアイリスは大きな球状に拡散しており、穏やかに全体を包み込んでいる
その中でひとまわり小さい球状に空気が膨らむような甲高いフランキンセンスが現れた
一瞬お化粧品風のマットでパウダリーで少し甘いアイリスを感じた後、ヴァイオレット・ベリー調の甘さの混じるアイリスとなり、フランキンセンスと淡い植物の筋っぽさとともに小さな球状を成している
しばらくすると奥に樹脂らしいウッディさが重なり、厚みと重みが増した
質感はクリーミーに傾いていく
パウダリーで柔らかなバニラが加わり、ジャミーなベリー調の甘さと混じってお菓子っぽさが出るのだが、フランキンセンスと根系のアイリスのおかげで幼くはならない
次第に土台部分にサンダルウッドが現れ、全体の安定感を増すと同時に前へと主張してくる
サンダルウッドはバニラと溶け合い境界が曖昧に
バニラ/サンダルウッドが薄く艶やかで透けるフルーティな甘さでコーティングされ、フランキンセンスの膨張したような高い煙とともにお行儀よく小さな球体をつくりつつ、その周囲をひとまわり大きな根系アイリスの球が包み込む状態に
最後はバニラ/サンダルウッドとアイリスが滑らかに残り消えていった
April AromaticsのIrisistibleに近い根系のアイリスが目立ちつつ、よりグッと奥に引き込むような樹脂と木、土の吸引力と滑らかさが増して、ひねりが加えられた印象
全体としては奇抜にならず使いやすくまとまっている
このバランス感がお洒落で、シンプルな服をお洒落に着こなす人に似合いそうと思った