Cuir de Chine/ Les Indémodables
Les IndémodablesのCuir de Chine
最初に乾燥・発酵させた茶葉のようなくすんだアプリコットが広がり、少しずつ背景にスエード調の重すぎないスモーキーさが感じられるようになった
アプリコットはフローラルの柔らかさを帯びてオスマンサスになり、次第に湿度と濃度が増してモワッとこもった香り方に
スエードはオスマンサスの圧に負けて遠くへ退いている
木から落ちた金木犀と落葉の香りが混じった空気を閉じ込めたような写実的な印象を受けた
その後、アプリコット様の柑橘要素が強く出たり、ピーチ様のフルーティな甘さが強く出たり、オスマンサスがスモーキーなベースの上でニュアンスを変えていく
最後に近づくと、スエードはアンバーウッディ調のツンとした質感を持つ軽くドライでスモーキーな木に変化
圧は弱まったものの明瞭に感じられるフルーティなオスマンサスが重なって、フレーバーティのようにも感じられる落ち着いたフルーティウッディ香が長く残り、動いたときに時々ふわりと感じられた
奇を衒うようなところはなくシンプルな構成ながら、ニュアンスが豊かでのっぺり退屈な印象にはならない
金木犀の香りを活かすために敢えてシンプルに仕上げたようで、個人的には重ね付けなどせず単体で完成度を楽しみたいと思った
タイトルの「中国の革」にはどんな意味が込められているのか気になる