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ポンコツ凡人素人による香水のたわ言の書きつけ/Twitterの寄せ集め

Iris Cendré/ Naomi Goodsir

Naomi GoodsirのIris Cendré

レタスサラダのように淡くさっぱりしたグリーン要素の強いアイリスでスタート

ゲランのアプレロンデやDusitaのSplendirisのトップでも同じ要素を感じるので、柑橘とイリスのある部分が重なると私が感じる香りなのだと思う

背景に薄くコンソメのような動物感が揺らいでいる

次第にアイリスのさっぱり感は保ちつつも中に糠床の発酵臭やヴァイオレットのフルーティさが見え隠れするようになり、背景のコンソメはスモーキーながら暗すぎない煙草に変化

ヴァイオレットは少しずつ強くなりアイリスと混じり合い、時々根のようなパウダリーウッディなオリスルートも顔を出している

全体では涼し気な中に軽いフルーティな甘さと仄かなウッディニュアンスが感じられるフローラルになった

背景の煙草は、明るい煙たさと軽い粘つきのあるフランキンセンスや、トーンは明るいがベタつくシスタスになり、アイリスヴァイオレットの香りを引き立てつつ質感をスモーキーに樹脂様に傾けている

最後までアイリスとヴァイオレットは明瞭に残り、先ほどよりこもったスモーキーさと樹脂感の西洋インセンスとともに、グレイッシュなアイボリーの雲のようにモワモワと漂った

華美過ぎず地味過ぎず、シンプルながら個性がありジェンダーレスというバランス感は個人的に使いやすく、拡散もちょうどよい

Iris Cendréを訳すと「灰かぶりのアイリス」といったところになるのだろうか

暗に「灰」を名に持つシンデレラのように、埋もれている「価値」としてアイリスの「価値」を引き出そう(実際アイリスが綺麗に出ている)という意味にも取れるし、古典香水の名「Iris Gris」をひねったようにも取れて興味深い