Gold/ puredistance

ピュアディスタンスのゴールド

最初に感じたのは軽く水っぽいネロリ系フローラルで、追って微かなパチュリのニュアンス

その後「確かにゴールド」と思わせるシナモンがかったオレンジが表面に、その下に甘いバニラとレジンインセンスが登場するのだが、全体的に下に沈む重量感がなく肌表面で浮いている

さらにオレンジがグリーンのエグみを帯びてフローラルと共に表面に浮き、その下でバニラとトンカを軸に樹脂のスモーキーさとミルラの癖が甘さを抑えるという不思議なバランスで少しの間香ったあと、フローラルの中に薄いインドリックさとクローヴ系の鋭さ(恐らくジャスミンとカーネーション)が出てきた

その後段々とバニラの主張が強くなってゆき、トンカがバニラを補強しつつ、樹脂はスモーキーさや苦みは和らぎ甘いアンバー系のとろみが増してくる

フローラルはその上で薄く直線的にニュアンスとして残っている印象

バニラ・トンカ・アンバーが目立ちつつも全体的に軽く、ホワイトムスクの存在を感じる

終盤になると、時々バニラのミルキーでお菓子っぽい甘さが鼻に届くのだが、肌付近ではベチバーが甘さを落ち着かせて軽やかなウッディオリエンタルになっていた

そのまま薄くなってゆき、最後はそれまでの要素をニュアンスとして含んだホワイトムスクが残った

奇を衒わず王道を行く現代的な香水と思った