Lucky Oud/ Bortnikoff
BortnikoffのLucky Oud
最初に一瞬瑞々しいフローラルが顔を出し、すぐにカカオか挽きたてコーヒーの、香ばしさの中に自然な甘みを含んだグルマン香が花を覆い尽くしていった
お菓子のような人工的な甘さはなく、甘苦さが出てチョコ寄りになったり、香ばしさが出てコーヒー寄りになったりと揺らいでいる
背景にはバルサミックでドライフルーツ様の甘みと若干アニマリックにも感じられる酸味を持つウードがゆったり香り、カカオコーヒーと重なって全体の雰囲気を落ち着かせていた
時々サンダルウッドのクリーミーさやバニラ様のほの甘さがウードに混じる
しばらくすると優しく控えめなフローラルが出てきた
グリーンでもアクアティックでもないこの抑制の効いた花はロータスなのだろうか
その後グルマン要素は残りつつも花が目立つようになり、追って現れたハニーの甘さとザラついたスパイシーさを持つ明るく溌剌としたローズが主役に躍り出る
背景のウードは煙草のように柔らかくほろ苦い香りに変わっていた
最後に近づくと、クマリンの丸く柔らかな甘さが下から全体をふんわりと包み込むように香りだし、さらにサンダルウッドのクリーミーさやバニラの品のよい甘さが強くなっていった
花は落ち着いて周りに溶け込んでゆき、煙草のスモーキーさも和らいでいる
クマリンに包まれてほんわりとチョコも感じられた
そのままクリーミーでほろ甘苦い香りがゆったりと肌の近くで長く香っていた
「ウード風」ではないのにウードの癖が強すぎず、外出時も安心して纏えるバランス感がいい
(数種しか試していないがBortnikofの他の香りにも共通する点として)香りにどこか緩さがあり、気負わず纏えるのも個人的に好感度高い