Soleil de Jeddah/ Stephane Humbert Lucas 777
Stephane Humbert Lucas 777のSoleil de Jeddah(ジェッダの太陽)
最初はラベンダーにも通じる薬草のザラザラ感と苦みが、花の蜜のような濃い甘さに漬け込まれ、押し出し強く鼻に届いた
甘みは強いが薬草のおかげでしつこくない
少しすると蜜の中に熟れたマンダリンのフルーティさがチラつくようになる
追って全体に鉱物的なアンバーグリスのヴェールがかかり、甘さはありつつも硬質な印象に
次第に軽く渋みを含む明るい紅茶が奥から流れ出てきて、シロップで甘く味つけたカモミールティのような趣になった
薬草は次第に金属的で薬品のような鋭さを帯び、アンバーグリス同様甘くなりすぎるのを防いでいる
しばらくすると背景にクラリセージのあたたかな草の香りが安定して感じられるようになり、さらにオスマンサスの軽い柑橘果実香を含んだフローラルが重なる
オスマンサスはカモミールとグラデーションのように馴染んでいるのだが、時折オスマンサス単体が広がることも
全体では甘めハーブ入り紅茶のよう
以前より細かく砕けキラキラした鉱物のようなアンバーグリスと薬品香が重なっており、甘さと硬さ・鋭さが同居している
次第にお茶はタバコとハムのような肉感のあるレザーへ変化し、タバコはよりスモーキーに、レザーはバーチタール様の強さを増していった
その中で植物的なバニラの甘さも揺らいでいる
これで最後かと思いきや、熟し過ぎたようなアプリコットの甘さがレザーとタバコを背景にとろけだし、その上をパウダリーなオリスが薄く柔らかい層を成して覆った
最後はアンバーウッディベースに焦がし砂糖のようなお菓子の甘さが残る
アロマティックな心地よさや甘すぎず意外性のあるバランス感が好み